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古いラベラー

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古いラベラーのインクがどこにもないので

ネットで検索しまくってようやく見つけて、自転車ででかける。
飯田橋の向こうの小さな文房具屋さん。一個だけ分けてもらって、仕切りシートを手に入れるために新宿、ユニオンへ。
その後、セガでコーヒーを飲みながら読書。

帰ってセットしたのだけれど、少ししたら壊れてしまった。あ、ああ。


update2008/03/25

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スライサー Tojiro-Pro

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最近、ものの流れがはやくなって、さらにこちらに向ってくる

+
追いつかない感じもするが、ままよ、ちょっと身体を合わせて見よう。
身体がもたなければ掠めてまた消えていくだろう。

++
自分のテイストは大事にしていきたいが異文化に対して、好奇心が強いのは、もともとだ。
変化させられるのは楽しい。生ハムは薄く切らないと…切るというよりスライスしないと美味しくない。

+++
スライサーを買うことにした。行く理由ができだぞと、合羽橋の行きつき店に自転車を飛ばす。ビスの備品はほとんど、ここで買っている。ルクルーゼのステンレスの鍋とかね。

++++
薦められたのは、
Tojiro-Pro Service en Salle サーモンスライサー 350mm。使っているのが藤次郎の包丁なので、迷うことなく決める。
でも350mmは長いな、扱えるだろうか…。
スライサーの手の動かし方を独自に考えて動かしている。今まで動かさなかった手の方向を使うのはちょっと刺激的だ。スライサーはパン用もハム用も信じられないほど切れる。ちょっと手に触れただけで血が、てん、てん、てん。
独学でやるのがいけないんだけどね。何でも自分でやってみないと気が済まない。



update2008/03/25

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銀蜻蜓

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銀蜻蜓は、素早いからよ、雌を使って、雄を釣るのさ。

バッハでコーヒーを飲んでいたら、戻るのが遅れてしまった。

久しぶりに色川に行ったら、着いたとたん、灯が消えた。あ、と顔を覗かせたら、駄目駄目と奥さんと、お嬢さん。
奥からおやじさんが出てきて、しょうがないな、いいよ。と。「いつものは駄目よ」と奥さんは釘を刺すけど、おやじさんは黙って、カブトと、肝と、焼き鳥を出してくれる。もちろんその後は、筏。

今、フコク生命の在るところはよ、銀蜻蜓が500匹も飛んでいてよ、原っぱだったんだ。
バラボリカのあるビルだ。銀蜻蜓は視界が20メートルかなだから、近くに行くと、逃げちゃうんだ。銀蜻蜓は高いところを飛ぶのね。一度、つかまえそこなうと警戒して寄ってこないのさ。そんときに雌を使って釣りをするのさ。絡んできたところをとるんだよ。

+++
今日は銀蜻蜓の話。経済の事もあるし、もちろん大好きな裸祭りとか、三社のかつぎの話もある。ちょうどひと話、終わる頃には、食べ終わる。

++++
どれだけ店の良い客になれるかと、頑張る人もいるけれど、もうそんな執着はない。だらしなく話を交わして、美味しいものが食べられれば、それだけでOK。見えるところで片意地張ることはない。

バッハでもいつも通っている人のように扱ってくれたけど、メニューをすっかり忘れてしまっていて、あ、すみません、メニューを。
コーヒーは相変わらず、すっきり美味しい。片意地なんてもう僕の中には全然、ないんだろうな…。


update2008/03/25

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上野の桜が

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上野の桜が咲きはじめた。

谷中墓地の真ん中には、僕にとって濃いスポットがある。

渋谷慶一郎が面白い事を言っていた。音の快感は、相対的なもので、アディクトを起させるようにすれば快感が発生すると。
音や、フィギァが相手ならアディクトも楽しく処理できるが、それが人となるとそうはいかなくなる。人は不思議な動物だ。

アディクトが外れると代わりに広い空間が訪れる。それはそれで漠としてとまどってしまうこともあるけれど、クリアな世界でもある。

update2008/03/24

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桜の花が

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明け方、上野公園の側を通ったら

大寒桜以外の桜もかなり咲いていた。今日はお花見日和になるのだろうか。
3月の下旬に大雪が降ることがあった。その時々、誰かが身罷った。一番印象的なのは、昭和の絵師、竹中英太郎の死だ。ちょうど大雪の日に街で倒れた。

今日、石井みどりさんの訃報を受け取った。僕が20代から30代半ばをすごしたダンスの世界、折田克子、泉勝志…その先生であり、折田克子の母であり、石井漠の相手役に抜擢されたダンサーであり、昭和、平成と踊り続けてきた、モダンダンスの重鎮だ。

はじめてした踊りの仕事は、書いた事もない台本と、結果、演出をすることになった。泉勝志主演、折田克子振付。僕は天井桟敷から若松武たちをゲストで招聘して演劇とダンスの両方を成立させる舞台を作った。ダンスの側から強い反発があって仕事がし難くなっていったある日、石井みどりさんが、つかつかと寄ってきて、あなたはバロックの作品を作っているのね。分りました。娘をよろしくと言われたのが、最初の舞台を放らずに最後までつとめた心の支えだった。

そのまま僕はダンスの世界に居つき、ある時、石井みどりさんの演出もすることになった。石井みどりさんは、まさにバロック的な大きな構成とダイナミックな振付をする方で、しかしながら踊りは強さに柔らかさや静けさを湛えているダンサーだ。

リハーサルの時、藤舎さんの皷の音が強くなるとそれを身体に吸収するように抱え込み、静かになると力強く動くというように、音が強ければ強く踊るというような合わせ方ではない、本当のコラボレーションを見せてもらった。そんなものを見せていただいた上で、演出などとてもできるわけでもなく、ただ一番近く出見れるというだけで引き受けたのだが、初日の稽古が終わると、厳しく言ってもらわないといけませんと、指をついて言われて慌ててしまった。
気になっている事を一つ伝えると、分りました次の稽古までに直してまいりますと、凛としておっしゃい、そしてそれは実行された。もう数十年前のその時、すでにお目が悪かったのに、舞台を一度、人についてもらって、歩くと、もう把握されてしまい、すらっと舞台の端まで使って踊られた。

歩く事、重心をぶらさないように踊る事、そして重心を行き切らさせないで、させたように動かす事…。素人の私にも数々、踊りの重要なことを見せてくださったが、これが踊る人だったら、どれほどたくさんのことを体感する事ができただろうと、側にいたダンサー達を心から羨ましく思った。

僕が石井みどり・折田克子舞踊研究所に出入りしていた頃に比べると、ダンサー達の資質とテクニックは格段の進歩を見せた。
問題は、作品をつくる必然的な動機だろう。何故、自分は踊りを踊るのか、何を踊りたいのか。それが見えないのはもったいないとしか言い様がない。

それでも石井みどりさんの踊る魂は、しっかりと受け継がれていくような気がする。安心されてください。


update2008/03/23

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パリの上空を

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パリの地下には採掘場がある

石を掘り続けて危なくなったので止めた
パリの森の下にも砕石場の跡がある。

畠山直哉はその写真を撮影した。
ナダールのように。

それならナダールのようにパリの空中写真は?
背中にしょって飛ぶヘリコプターがある。それを借りようか?

複葉機で飛ぶ?

かつて蔡国強のプロジェクトで不思議な人がサポートチームにいた。
その人は複葉機チームに属していた。いわき市の。

聞いてみようか? パリの上空を飛べたらすてきだものね。
彼は、北極海も飛んだ人だし、何かサジェスチョンをくれるかもしれない。

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この写真の向こうには蕾の固い櫻木がいる。


update2008/03/22

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桜を待つ夜

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谷中の桜の下で詩を読む草間彌生

そんな話を畠山直哉さんの家で延々していた。
庭には大きな桜の樹がある。まだ咲いていない。

記憶の中で話がドラマ性を強化することがある。意外にもそれを払うのがネットだったりする。事実が書かれているからだ。しかし事実と記憶は相反するものでない。事実もまた一つの見方だからだ。

プランBの田中泯のディレクションで復活を果たした土方巽は
その日の夜に僕の手を握って「迷惑をかけたね」と言ってその手に頭をつけた。

この記憶は語ると事実に聞えない。そんなことあるはずもないくらいだからだ。

夜に中野のマンションで土方巽はごきげんだった。木幡一枝さんも田中泯も。庭に桜の花が満開だった。
「おい」と土方巽が声をかけると芦川羊子は桜の樹の根で
アスベスト館の上演の最後にやるポーズと表情で坐った。それを見て土方巽は杯を干した。

満開の桜の元で
いくつも記憶が醸成された。

それは歳を経るたびにより鮮明さをます。記憶の中の事実は人間の作り出すドラマ化作用よりも
遥かなる彼方性をもっていることがある。


update2008/03/20