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劣化コピーの終わり? 始まり?

談志の鮫講談。
カットアップされている講談。バローズ?

講釈師から口伝でならう講談。思いだしながらやるという談志。(ホントかどうか別にして)
習ったあるブロックがそのまま出てくる。それは習った人の、その演目の講談を聞くと良く分る。
あ、このブロックはそのまま。このブロックから先は、今、作ってアレンジしているな。

棋士もその場で戦略を作るというし、その位のぎりぎりでのディテール戦が芸というものだ。
(棋士は芸じゃないけど…)それは劣化コピーじゃないような気がする。
ある部分を大事にスポンと使いながら、今を入れていく。今を入れないと今の芸じゃない。
固定された古い、権威的なものは、やっぱつまんない。

NHKでゴスロリの特集をしていた。良く分った気にさせる番組。
黒色すみれがでていたけど、演奏なし。マリアの心臓がでていたけれど、佐吉さんコメントなし。
ゴスロリを通底するどろっとした精神、あるいはヤンキー魂。そんなものをすべてカットした衛生的なゴスロリ。ダークさなんて微塵もない。
嚆矢は、ナオトの広岡が登場して、デザインは町の子を見ながら作っているんです。参考になるんですー。みたいなこと。
へっ。プロのデザイナーがね。でも本質がでている。コピーと組み合わせ。
さらに精神もなくゴスとロリをくっつけるから良いんです。だと。
ああ、たしかにそうなっているけど、作り手がそれをいっちゃしまいでしょう。幻想の頂のないものは駄目ですよ。いかにだましといっても。すべてがなだらかになるっていうことは、劣化コピー、エントロピーの最終段階ですから。
終わるのかも。終わりの始まり。けっこう90年代後半からのメイントーンが変質するかもしれない。
ではどこに。まぁそれは待っていれば見えてくるだろう。


update2008/09/14

column

豊崎社長!

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惚れ惚れする男っぷり。豊崎由美の横顔を見ながらそんなことを思っていた。

この人、相手が直球待っていたら、打たれると分っていても投げるんだろうな…。

野茂英雄が大リーグで活躍しはじめた頃、野村克也、江夏豊が、野茂英雄と鼎談するTV番組があって
ボールから入るって選択もあるんだろうし…(野村)
いえ、カウントが悪くなるからストライクから(野茂)
フォークはいろいろブレるのを投げるの?(江夏)
バウンドした時にキャッチャーがとれなくなるといけないので、ホームプレートにバウンドして真っすぐ上がるようにブレるフォークは投げません(野茂)
大リーグの強打者はフォークボールで3三振していても、4打席目まだストレートを待っていたりする。そこに一球もストレートを投げないと大リーガーとして野球をしていることにならない。だから投げるんです。
で、野茂は打たれる。惚れ惚れするくらいに。野茂は打たれた球を見上げて、淒なぁーって思って言っていた。

豊崎由美さんの男っぷりというのは、野茂のような男っぷりで、(容姿はまったく関係ないです)対談相手のミルキィさんも侠気のあるデザイナーで、二人の話は丁々発止と一気に2時間。

男っぷりというのは、侠気と書いた方が良いかもしれない。自分の損得を顧みず弱い者のために力を貸す気性というのが侠気の辞書解釈だが、自分の損得顧みず、本のためにという気持ちは対談の到るところに出てくる。

私を消して私を開いてこそ

なるほどね。
それでいてミルキィさんのデザインと豊崎さんの書評は個性的だ。

侠気たっぷりの姿勢と裏腹に…いや裏腹じゃないんだろうな…だからこそなんだろうな。
ディテールは繊細だ。豊崎さんの手帳、細かい字がびっしり書いてあって、ペンが4本(たぶん色違い)が刺してある。ストイック。本を読みながらポイント別に色違いの付箋をつけていって、それが上から見ると綺麗なのよね…と豊崎さん。

ディテールに紙が、いや神が宿る。本質が発生する。
真似してみようかな、自分なりにアレンジして。新規のジャンルを常に手がけるようにしていると、資料が自分の周りを吹っ飛んでいくように通過していく。片づけない状態でなお前に行く。そんなところを直してみようかなと思った。

話がそれるが繊細な仕事をしている作家のアトリエが片づけられていないというのを良く目撃する。

書評はディテールへのこだわりと愛によって輝きを持つ。今は、姿勢と構造だけでは許されない時代なのだ。ディテールはどれだけ繊細であっても良いくらいだ。

繊細なフォークボールと打たれるかもしれないけど直球を投げる豊崎さん。
直球も「おらおら、打てるものなら打ってみろ!」という160㎞の下品なんでなく、130㎞の打たれるかもしれない直球。それをど真ん中に投げる。
うーん。男っぷりは惚れ惚れする。

ちなみに豊崎さん160㎞の直球をバックネットに叩きつけるような作家は大好きなのである。どこまでもカッコ良いでしょ。


update2008/09/10

column

妲妃のお百

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嵌るのに理由はない。

嵌るかなと思うこともなく嵌ることもある。

神田織音さんがビスで語ってくれた『怪談乳房榎』を聞いて以来、落語だの講談だのにわけいっている。
東雅夫さんが、解説してくれたビデオ版『怪談乳房榎』彷徨もまた背中を押したのかもしれない。

円朝だから圓生かなと思って『怪談乳房榎』聞いてみると、端正で物足りない。晩年の録音だからかもしれない。どうしようなかと思って講談好きの立川談志の文章を読んでいたら、五代・神田伯龍の『小猿七之介』が良くて六代・神田伯龍に教わったとある。ではというので、談志と伯龍(五代)の『小猿七之介』聞いた。

談志も良いが、伯龍さらに良い。さらに『妲妃のお百』を談志と六代目・伯龍とで聞いた。うーん。伯龍の『妲妃のお百』は艶があって、女性二人をぱっと聞いて違う人として語り分けている。女を語れる人なんだ伯龍は…。惚れてしまった。(談志もかなり良いんですよ…)

『妲妃のお百』は新七が歌舞伎にうつして、三代目田之助が得意とした出し物。悪婆もの。どんな風に演じたのだろうか…。また江戸に足が向いてしまいそうだ。

さてさて伯龍の録音はたくさん残っているわけではない。楽しみながら少しずつ集めて聞いていこう。

五代目・伯龍は不思議な魅力を持っていたようで、江戸川乱歩はその容貌や語りをこよなく愛しつつ、さらにその奇異性に惹かれたと言う。そして明智小五郎のモデルにした。

語りは面白い。口伝で伝わっている芸は、すぽんとそのまま次の演者に入っていく。伯龍の『小猿七之介』は、きっかり談志の身体に入っている。談志は演じるときそれを思い起こすかのようにして語っている。1字1句たがわず入っている。不思議な感じがする。

update2008/09/10

column

雷鳴は

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空襲の音に似ている。

台湾料理店の女主人が
ひぇーと大きな雷鳴に声を上げてそう言った。

空襲って?
B29。
日本?
台湾よ。東京と一緒に。
そうか台湾は大日本帝国だったから一緒に空爆を受けていたんだ…。
私たちの小学校は日本語を教えていたのよ。小学校5年生の時。次の年は中国から先生が来たけど言葉が何も分らなかった。
…。

東京大空襲のことばかり言っているけど
同時期に台湾、台北も高雄も焼け野原。台湾の人は日本に占領されていたばっかりに空爆を受けることになったんだ。忘れている。意識として。日本は。いつも自分のことばかり。そして攻め落とされた国、アメリカの経済的支援ばかりしている分けの分らない国。

石油が高いっていっているのに、無償で油を供給している不思議な国。
安い金利で差益を出してその分アメリカを支えている駄目な国。

update2008/08/30

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雨の中

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チラシをまきに都心に自転車を飛ばす。

走りながらいろいろ思う。

ずっと考えてきた。
究極の姿勢。言えば究極の姿勢。

騙すより騙される。
分っていても。相手が騙そうとするなら受け入れよう。

それで
結果は、巧くいっていた。

しかし
今、騙されるとそのまま押し切られて
騙すものの意志のままになだれてしまう。

なぜだろう。
言葉の表意しかとらないからかもしれない。
ネガティブな考えややり方が蔓延しているからかもしれない。

悪意というものが
2ちゃんのようなところから溢れ出るように世の中に拡がっているからだろうか。

どうしようか…。
走りながらしばし考える。
答えはでない。

update2008/08/29

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灯ともしころ

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panasonicのウーファーの利いたヘッドフォンRP-F30はかなり前に廃番になっている。


もう20年も塚ってかなりくたびれてきたので
ふと立ち寄ったヘッドフォン専門店でティアックのDT860を勧められて、購入した。

中域がちょっとチャリッとしているけど
i-podには丁度良いかもしれない。音もれするから誰もいない会社でしか使えないけど。
ちなみに通常はER-4Sをi-podに突っ込んでいる。

i-podで音楽を聴くのをあれだけ嫌だと思っていたのに
取材の録音にも使うほどに使っている。

DT860の特性をチェックしようと
久しぶりに浅川マキの前衛的な音を聞いたら
離れなれなくなった。
いわゆるマキ節ではない
ジャズの前衛プレイヤーと一緒に録音した
とっても粋な奴。

去年
シリーズの4がでていたらしい。
買わなくっちゃ。

音楽だな…とつくづく思う。


update2008/08/29

column

Rozen Maiden

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ジャンクなんていない。

『Rozen Maiden』のメッセージは
とてもポジティブだ。
言葉をひろって読んでしまう。それは悪意がベースであるかもしれないという
時代の空気を
いやそうじゃないと強く言っている。

否定するのは優しい。裏切るのは簡単だ。
信じることは難しい。
それでも誰もがそれぞれに必要なのだという言葉は
何かを生み出すだろう。


ゴスで
デスな状況であるが
果敢にそうでない世界を構築しているRozen Maiden
何かを開くのではないだろうか。

それは逆のパンドラの箱


update2008/08/27