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8 1/2 はちとにぶんのいち

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久しぶりにヘア・カットに。

いつも髪をブリーチしてくれる青年が
「気合いを入れて白のTシャツにしたんですよ。」と話しかけてくる。
僕も上下白の服を来ていた。ぴったりだね。
最近は、周囲のネガティブなこと少しで、気合いが落ちたりする。少々トラブルがあっても突き進んでいた頃とはさすがに感覚がことなる。だから期待していない周りの高いテンションやちょっとした思いやりは、自分の身体をはっと元気にさせる。嬉しいものだ。よしまた頑張るかという気になる。意味なんかないんだけど。食べ物の快感が身体を震わすのに似ている。理屈じゃない。

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ずっと神宮前の8 1/2(エイト&ハーフ)という美容室に通っている。先日、向かいのギャラリーにいるのを見つかって、向こうから手を振られた。そのときに今日の予約をした。六ヶ月に一回というペースだけど、もうだいぶになる。タケナミさんのカットが好きだから。ブリーチもうまい。こんなに長いことお気に入りは珍しい。

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青山から神宮前にかけては美容室の激戦区。30年も前に行きはじめた、アレス、その後の連獅子、その後のモッズ・ヘァ。アレスでは弁髪に、連獅子ではエメラルドグリーンに、モッズ・ヘアではブリーチに失敗。アンアンを見てエイト&ハーフに移った。ブリーチとカラーが良さそうだったから。今日は髪の毛がプラチナで真っ白になった。なんかみんな一生懸命やってくれる。髪の毛とか頭とかは他人に触らせない部位なので、感覚が手からダイレクトに伝わってくる。

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最近、皮膚とか腸の思考とかに凝っている。だから余計にそう思う。

会社の管理人さんが、一時休んで前の管理人さんが来た。自転車の置き位置にうるさかったり、ちょっと照明をつけたまま買い物に行くと、怒られたりしていた。なんか相性が悪くなったな…といつもより丁寧に挨拶をしてみたんだけど、無視。うーん。困ったなと、愚痴をこぼしたりしていた。今日、死亡の知らせを聞いた。末期癌だったとのこと。最後に職場に戻りたかったんだな…。知らなかったこととはいえ、コミュニケーションは難しい。皮膚感覚として分りたかった。


update2008/10/17

column

金融恐慌

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ヴィクトリア女王が即位する少し前、イギリスは産業革命によって世界の派遣を握り、世界の工場と呼ばれるようになった。イギリスはその余勢をかって軍事を増強し植民地を次々と作り上げた。そしてポンドで世界を支配するにいたった。ポンドという金融的力が頂点にまで達したところで、輸出が停滞し、イギリスはそこから世界を金融的に支配する国に転換することになった。19世紀末から20世紀にかけては、イギリスは金融大国として世界に君臨した。もの作りから金融へ。第一次世界大戦後、金融の中心はイギリスからアメリカへ移り、イギリスは財政赤字に苦しむことになる。


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似てないか? もの作りから金融へシフトした国の運命と。アメリカは、今回のバブルで以前にもましてもの作りが後退させた。アメリカの自動車製造の衰退がそれを顕著に示している。今日のGMの株価は20%を超える下落をして1950年の株価になった。ビック・スリーという言い方はアメリカではもうしていない。問題だったのは、ローンを債券化するような証券の証券化のような金融的商品をたくさん作り出してしまったことだ。不動産バブルは、根底のところに不動産がある。動かないものがある。サブプライム問題は、低所得者層に無理やり不動産を売ったということもあるが、それだけだったら、不動産が残っているのでどうにか処理できるし、問題も見えている。ローンを商品にしたのがこんな世界の大迷惑に発展した原因だ。しかもその証券は構造的に破綻が見ていた。にも係わらず高い格付けがされていた。

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ヴィクトリア女王が即位したのは1837年。その後、すぐに飢餓の40年代に突入して、倫敦でも子供たちが飢餓に陥り、大人に成るまでにたくさんの子供たちが死んでいった。少女(実際には幼女)売春禁止の法律ができるほどで、子供たち、そして女の人には本当に生き難い時代であった。格差社会なので、もちろん華やかな生活をしていた女性もたくさんいて、それがヴィクトリアンのイメージを優雅なものにしている。格差の有様はどうも日本に似ていて、現在、破綻しつつあるアメリカの格差からは、ダークな下層社会とそれにともなう犯罪の発生が想像できない。ビクトリア朝の壊れ方は、現在のアメリカに似ているが、社会構造と暗部感覚は、むしろ日本に似ている感じがする。

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おそらくアメリカの金融破綻に端を発したこの金融恐慌は世紀に一度のクラッシュである。クラッシュの後に世界がどうなるのか? それはまったく未知である。経済評論家はヤバイ! といは言うけれど姿を想像することはできない。普通に考えられるのは、今、あるネガティブな要素がそのベクトルでいっそうネガティブになるということだ。犯罪はいっそう陰湿にそして理由をもたなくなるだろう。隙間をより姑息に抜けてる試みがなされるだろうが、隙間というのはしっかりしたものがあっての隙間である。隙間自体が見いだせなくなるという可能性もある。姑息が自棄になってもっと困った感じが蔓延するかもしれない。その中でどう生きていくのかというのは、ただならないことであると思う。『夜想』は生存できるのか?そんな身近なことで済まない事態がすぐ目の前まで迫っている感じがある。

update2008/10/10

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雨の成分

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ちょっとした

大雨の中を自転車で走らないといけなくなって
目をあけて雨の中を走って帰ったら
目が痛くなって、充血してしばらく使い物にならなかった。

雨の成分は大丈夫なんだろうか。
身体に悪い成分がたくさん…なんていうことになっているかもしれない。

人間は動物なんだから、食べ物でも危険を察知できる、だから自由に食べていて大丈夫
なんていうことを言われたきもするが、小さい頃に、
好きに食べていたら、バランスの悪いメタボになるし
そんなに人間の野生は信用できない。

野生を回復するトライはすべきだけど。

グルタミン酸が入っていたり、お砂糖がたくさん入っているものを
美味しいと
思ったりするのだから
野生の味覚なんてないのかもしれない。

update2008/09/22

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見えないと

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味が分らないという

ことをずっと思っていた。信じていた。
というか植えつけられていたのかな…。

目黒川ぞいを歩いて
お茶屋さんへ入ると、颱風の影響か人は誰もいない。
お客は僕ひとり

いつもに比べてカウンターが暗く
手暗がり。サーフェスが見えない。
駄目だなぁと思いながら飲んだけれど、三煎とも味がすっと入って、快感も。
日本茶を飲みながら失礼なはなしなんだけどまた谷中にお茶を飲みにいきたくなった。
日本茶は一煎目で半分以上の味が出て、後はなだらかに落ちる。
曲線に変化はない(そうでないのもあるのかもしれないが。あったら教えて欲しいな)
中国茶は十煎目にピークなんていうものもざらにある。

お茶の比較より見えなくて味が分ることに驚いた。
信じ込まされていることは多いんだな。

お茶も谷中で舌をトレーニングしてもらっていることがずいぶん感覚に変化をもたらしているんだろう。まだ進化するって、ちょっと楽しい。

update2008/09/21

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爆弾

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千鳥ケ淵の

近くには異端の画廊がいくつかある。
松井冬子を擁する成山画廊。
そして
中に入ると本棚があってたくさんの本が収蔵されている。
そんな画廊もある。

つーと見ていたら千冊の見識のある配慮を感じる。
目が利いている。
ディレクターはただものではない。
著者を端から見ていたら
ちょうど手に持っていた文庫の人がいない。
さもありなん。

梶井基次郎の檸檬のように爆弾として置いていこうか。
最近読み続けている笙野頼子の文庫を。


update2008/09/20

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笠岡の名物は

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カブトガニと薔薇なんだそうだ。

そしてカブトガニ饅頭がある。
らしい。
カブトガニの姿がリアルに復元されているカブトガニ饅頭。
イジメだよ。上げるね。
と、作家さんに脅された。

人形は、すっきりしていて
透明感があり、サイバーな風もあり、時代的だ。

時代を反映していないと
人形は、生きてこない。
その意味ではとても良い、新作だった。

忙しそうなのでご飯を作っていたら
双子のお嬢さんが
いろいろお話をしてくれた。
何かが通う感じがする。

もっともっと
食べること
触れることに自在になると良いなぁ。

豊崎由美さんじゃないけど
辛かったら開け。
相手に向って開け。

そう思う。


update2008/09/19

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たとえ経済の

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仕組を知らない

僕だとしても日本のこの無策振りには飽きれてしまう。
昨日、リーマン・ブラザーズ証券が倒れて
どうなることかと固唾を飲んでいたら、まぁ日本は注意して様子を見る
なんていつもの何もしない態度。

利下げも利上げもできない状況に世界が追いつめられているのは
分っているにしても
でも手を打たないとまずいでしょう。

中国はインフレよりも景気後退を怖れて利下げを選択した。
今は、世界は中国頼りだから
それもありだろう。

米国は大統領選挙前で何もできない時期なのにブッシュが最後の仕事をしようとしゃしゃりでてきた。(実際には無意味なんだけど…)

日本は何にもしない。
やっぱり刈り場なんだろうなここは。

金融というシステムが起す経財のクラッシュ。経験したことがない何かが世界を襲う。
感覚が幻想に入っていきそうだが
これはまぎれもない、幻想から現実への反応。

読んでいる笙野頼子の小説のように…。
セガでカウンターの横で本を読んでいる女のひとの腕に腕時計が二本絡んでいる。
二つの時間を生きている人なのだろうか。
本はあと数ページで読み終わりそうなのに
いつまでたっても終わらない。
僕はポーランドから来る、写真家に会いにセガを出て、ビスに向った。

update2008/09/16