丸尾末広 books
『少女椿』丸尾末広
21巻の紙芝居『少女椿』にインスパイアーされた丸尾末広の『少女椿』
21巻通しで上演されることもあるらしい。見てみたい。
寺山修司が見世物の復権をかざしてアングラ芝居をしていたときの雰囲気やモチーフが『少女椿』にはある。
寺山修司は海外遠征をして、カントールや、ウイルスンなどの前衛演劇に触れる度に、モダンな、そしてコンテンポラリーな前衛演劇に変貌していった。寺山修司は短歌という身体性をブリッジに、最後まで、見世物的日本とつながっていたところがあり、それは『田園に死す』などの映画を見ると良く分る。
丸尾末広の『少女椿』は、アニメや芝居などにとてつもない影響を与えた。東京グランギニョールの飴屋法水も丸尾末広の世界を標榜する芝居だった。丸尾末広も舞台に登場し宣伝美術を担当していた。
夜想の後楽園球場を使ったイベントに東京グランギニョールに出演してもらったときも、全体のB全のポスターは丸尾さんだった。
見世物小屋はなくなり、寺山修司も作風を変え、少しずつみなが魔界の世界を離れぎみになった80年代、それでも丸尾末広の世界は、脈々と次世代に受け継がれていった。微妙に変貌しながら…。そして世紀の変わる頃に、アニメ版『少女椿』というとんでもない事件のような作品を生んだりもする。アニメ版『少女椿』は、映像にパフォーマンスが加味されて上映される。
見世物小屋の世界はどこまでも身体を絡めた事件を孕んで継承されていくのだ。
update2008/04/01