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それでも、読書をやめない理由 デヴィッド・ユーリン

それでも、読書をやめない理由 デヴィッド・ユーリン

 iPadでは漫画までで、書籍は余り読む気がしない。それでも青空文庫をiPadで読むのは、少しの快感があって、たぶんそれは青空文庫には、電子書籍として読まれるという覚悟と、なぜ打ち込むのかという明確な理由があるからだろう。理由のあるものは、その美をもっている。電子書籍は、紙をただ移行したもので良いはずがなく、仮に移行だとしても、iPad用に、あるいはキンドルようにレイアウトされたものでないと、読みにくい。最底でもそれだけはして欲しい。しかし出版社の側からの理屈で言うと、それぞれにレイアウトをすると、コストがかかりすぎてとても出版コストに耐えきれない。とすると、自炊はするなと言いつつ、できるだけ自炊に近い形で、紙面を作るか、あるいは著者を含めた周辺の人に、コストを振り分けるかということになる。
 それでもiPadというメディアは魅力的で(もちろんキンドルにそれを感じる人もということも含めて)、日本でも電子書籍は生き延びるだろうとは、思う。しかし電子書籍がしょぼいと、紙の本もしょぼくしか売れなくなる。メディアというのはそいうものだ。共存は、相互がそれぞれに魅力的で競わないと難しい。本が生き延びるかどうかということを、そんな風にとらえていたのだが、この本を読んでがく然とした衝撃を受けた。
 本が読まれなくなる原因は、もっとネット脳的なことにあるのかもしれない。いや多分そうだろう。ネットに親しんだ日常を送っていると、注意力が散漫になって、読書という集中を要する作業ができなくなるという指摘だ。確かに相当思い当たる節があって、深さに至らない、そして深さを触ろうとすると、ネットで調べものをしたり、そこからまた面白いものに渡っていったりと、際限なく電子の表層を遊んでしまう。どうしよう。かなり真剣に本を読む環境、ネットを触る方法を変えないといけないように思う。

update2012/05/29

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池内式文学館/池内紀 白水社

まどか☆マギカから、ファウスト、訳の池内さん、そして池内式、それでまた将棋に行ってしまった。かな…。

大学の独逸語の先生だったからというわけではなく、今、文章も評論も、訳も、あると気になって読んでしまうのが池内紀さんだ。

思えば母校の都立大学、独逸語に秀逸な才能の教師がたくさんいた。種村季弘、川村二郎、池内紀、菅谷規矩雄、飯吉光夫…。仏蘭西文学に気持がいっていた学生の頃は、少しずつ後回しだったが、雑誌を作るようになってからは、川村二郎、池内紀という二人の評論は、ジャンルが幻想文学にも係わっていることもあるが、かなり愛好するようになった。評論を愛好するとは、何という言い方かとも思うが、とにかく好きなのである。

最近のアニメは、一見すると「萌っー」対策が利いているようなキャラが、うにうにしながらポーズをとったりしているが、すぐ側に異空間があり、しばしばそこに堕ち込んだする。ワルプルギス? の夜? それはドラキュラが現れる夜なのか、ファウストの闇なのか…。
ファウストを再読したくなり、図書目録を見ていると、池内紀さんの訳がある。楽しみもあり文庫を購入する、そのついでに『池内式文学館』を見つけ、同時に読みはじめた。文庫の後書きを集めたものだが、この本はちょっと困った。文庫を全部読みたくなってしまう。仕事が進まない。 白水社の和気さんの編集だから、目が行き届いていてセレクションが巧みだ。池内さんの文章もそそる。

最近、勝負勘が弱くなってきたような気がするので、勝負ものを読もうと思っていたので、「池内文学館」に書かれている、河口俊彦の『大山康晴の晩節』を読み出す。



絵本ファウスト

update2011/09/06

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『人形寫眞文庫 中川多理 』

中川多理『人形寫眞文庫 中川多理 』(平安工房)■2200円+税
中川さんの直筆サイン&蟻ん子入りです。

中川さんが、パラボリカ・ビスにて1冊1冊にサインをかいてくださいました。
1冊づつ蟻ん子が違います。

通販の場合、どの蟻ん子が届くかはこちらにお任せください。



新しくオンラインショップがオープンいたしました。
カード決済・銀行振込がご利用頂けます。
3150円以上送料無料(一部商品、沖縄・離島を除く)
http://www.parabolica-bis.com/

update2011/07/07

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NEON O'CLOCK WORKS『KRAGENEIDECHSE』

NEON O'CLOCK WORKS[ネオン・オクロック・ワークス]
写真集『KRAGENEIDECHSE』[カーゲンアイデクセ]

■税込定価:2100円/本体:2000円+税
■A5版変型/64ページ/オールカラー
お求めは:ステュディオ・パラボリカ[para shop]へ≫

コルセットという〈美しい下着〉を〈破壊的な器具〉 として
捉えたときに浮かびあがってくる世界。
それは、圧迫された身体の悲鳴に耳を傾けた者だけが 見ること のできる
"KRAGENEIDECHSE"と呼ばれる実験舞台......

NEON O'CLOCK WORKS HP


パラボリカ・ビスでは限定バージョンも販売しています

コレクタブルバージョン/本体:3000円+税
■限定100冊
EDITION NO.入り。1冊1冊にNEON O'CLOCK WORKSによるArt work が施されています。 

「KRAGENEIDECHSE」BOX(特装版写真集セット)
■SPECIAL EDITION(20部限定)頒価:20000円+税
■NOMAL EDITION(30部限定)頒価:13000円+税
手作りオブジェボックス(デザイン・サイズはすべて異なります)
BOXの中には、特装写真集に加え、色々なオプション作品が詰まっています。

update2009/12/09

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『人形記』 佐々木幹郎

DSC08763.jpg
太田省吾の家で佐々木幹郎さんと

議論していたのは、荒木陽子さんの死に対する荒木経惟さんの創作姿勢についてだったと思う。
けっこう激しかったように思うけれど
会って、あん時はすみませんでした…と言うと
覚えてないなぁ、酔ってたしと優しく佐々木幹郎さんは言うのでした。

陽子さんの亡くなったのは、1990年だから
もう20年前のことになるのか…。
太田省吾が湘南台文化センターの芸術監督についたのも1990年で
そして僕は太田省吾の元でディレクターをしていた。
その関係で佐々木幹郎さんとも会ったような気がする。

佐々木幹郎さんは演劇もよく見られていて
状況劇場の四谷シモンやアートシアターの土方巽の踊りを観ている。
僕はそのあたりは鎌倉の高校生で
知識すらなかったと思う。
僕は東京に出てすぐ寺山修司だから
状況劇場や黒色テントを見るのは少し後のことになる。

控室でのお話はとても楽しかった。
文化圏の擦れのすり合わせという感じかな…。
人形に関しても、今の僕と佐々木幹郎さんとで少し見るものがずれている。
そこを話すのがとても嬉しい。

さて『人形記』
ここ何年か人形とかなり濃密につきあってきたけれど
一番、切実に思っていたのは、人形を語る言葉が、狭くなって
限られてきてしまっていること。
作家のいう言葉は時に、こう見られたいという願望であったりする。
役者の芸談と一緒で、聞いた膨らみからちょっとスラッシュをかけた方がよい時もある。言葉はますます削がれていく。

佐々木幹郎さんは、『人形記』で少し貧しくなっている人形に関する言葉を拡げている。詩人の言葉で、ドキュメンタリストの言葉で、そして驚きを素直に表現する、子供のような感覚で。

正直なドキュメントだ。
まず自分の近くにあった宇野千代の文学、そこに書かれた天狗屋久吉から入って行く。そして18回にわたる人形に関する取材を続けながら、人形の現場に近づいていく。この正直さがたまらない。
作る人の言葉を丁寧紡ぎながら、それを紙面に展開していく。そしてラストの三行に佐々木幹郎の言葉が出てくる。とても含みのある三行。

三行の向こうにある佐々木幹郎の思い、視線を想像しながら読む。
背後にある言葉は、別に隠そうしているわけではないので、じっとしていると聞えてくる。

対談ではその三行の向こうにある佐々木さんの言葉を
聞いた。
ストレートに話していただいたので
話はほんとうに面白く
興味深かった。
この言葉を
僕は現場で、また織りなおしていく。
自分たちの言葉として。
佐々木さんの人形に愛ある態度
(だって美術より上だと明言している。
人形や人形作家について記述された言葉。詩の言葉。
大切にしたい。大切にしてまた織物として使わせていただきたい。

まだまた話したいことはあったけれど
今夜はここまでという感じだった。


update2009/06/16

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創造の原点

人が芸術家になるとき
■A5変形 ■カラー/図版多数 ■残部僅少
■定価2940円/本体2800+税
■監修・編:大野木 啓人 ■責任編集:今野 裕一 
お求めは:ステュディオ・パラボリカ[para shop]へ≫

ターニングポイントは、ふっと訪れる。
芸術家たちが「その時」を赤裸々に語る。


芳賀 徹■比較文学――風雅文采を身につけよ

千住 博■画家――21世紀に進化する芸術

大野木 啓人■空間演出――大学という教育の場の再生

宮島 達男■現代美術――宮島達男ができあがるまで

森村 泰昌■現代美術――プロのものさしでなく、もちろん素人ではなく

やなぎ みわ■現代美術――多分、もう一生やらないんじゃない、と言われた日から

椿 昇■現代美術――ニュートラル・ポジションを持つ

市川 猿之助■歌舞伎――絶えず天高く天翔る私の心

井上 八千代■日本舞踊――四世から受け継いだ舞の心

太田 省吾■演劇――語った言葉だけが言葉でない

聞き手■今野 裕一

update2007/02/28

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ものづくりの原点

クリエイティヴはこうして生まれる

■A5変形 ■カラー/図版多数
■定価:2940円/本体:2800円+税
お求めは:ステュディオ・パラボリカ[para shop]へ≫

「ポケモンの誕生」から「本の身体性」まで、クリエイターのための必読書!

ペヨトル工房で『夜想』を編集し、創造の現場に密着してきた
今野裕一ならではのインタビュー。
現場の第一線で活躍し続けてきたクリエイターの方々が、
本音で創造のコツや秘密を明らかにする。

WORKS & INTERVIEW

S O U N D  A R T
★ サウンドアート/藤本由紀夫■人がかかわって成立するアート
オルゴールのネジを巻く、枯れ葉の上を歩く、すわって筒を耳に当てるノノ。
観客の行為によって現れる音が藤本由紀夫のアートだ。
和歌浦湾を臨む地元密着アート・プロジェクト「和歌の浦の丘」は
椅子を通じて、人々がメ丘を体験するモ作品になった。

P H O T O G R A P H Y
★ 写真/畠山直哉■写真は見えないものに向かっていく
畠山直哉は、現実の風景と時間をリアルにとらえながら、
見えているものの向こうにある、見えないものを写真から映しだそうとしている。
カメラという装置、写真という表現装置を科学と哲学で日々思考することが
畠山直哉の写真行為である。

G A M E  P R O D U C E
★ ゲームプロデュース/石原恒和■ポケモンの誕生
ゲームを精緻に組み立てる頭脳、
そして、遊びに対する飽くなき好奇心から、ポケモンは生まれた。
子供にこそクオリティの高いものを手渡したいと、
プロデューサー石原恒和は、常に「新しさ」への挑戦を忘れない。

C R A Y  A N I M A T I O N
★ クレイアニメーション/伊藤有壱■自分の居場所は、自分でつくっていく
モノを動かしているときの至高の時間を追い求め、
試行錯誤の果てにたどり着いたクレイ・アニメーション「ニャッキ!」は
ショー・ビジネスを前向きに受け止める精神から生まれた。

S P A T I A L  D E S I G N
★ 空間演出/大野木啓人■クリエイションは生き樣そのもの
先駆的なマネキンをつくり出してきた「七彩」の原型室で、
大野木啓人は、イッセイ・ミヤケ、コム デ ギャルソンなどの
クリエイティヴを支え続けた。常に頭から離れないものづくりへの情熱、
その生き様を身上に、現場一筋に生きるクリエイターの哲学。

S T A G E  L I G H T I N G
★ 舞台照明/沢田祐二■オペレーションに賭ける照明
すべては稽古場から始まる。演出家が役者にだす注文に耳を傾け、
場面を理解してゆく。舞台照明家・沢田祐二の芸術的感性は、
オペラ、演劇、ダンス、さらには長野オリンピックの開会式まで、
幅広いジャンルで匠の技術として発揮される。

T H E A T E R  P R O D U C E
★ 劇場プロデュース/渡辺弘■劇場を立ちあげる
銀座セゾン劇場、シアターコクーンの立ち上げに関わった渡辺弘は、
地域と共生する公共劇場に新たな可能性を見い出した。
劇場プロデュースを支えるのは、現場が好き、演出家が好き、舞台が好き
という、演劇への熱い想いである。

B O O K  D E S I G N
★ ブックデザイン/ミルキィ・イソベ■本の身体性
本にはものとしての魅力と存在理由が必要だ。
見ることは、記憶を介して五感に結びつく。
ミルキィ・イソベは本が読まれるときの身体感覚を大事にしている。
装幀は手から伝わる感覚を設計する仕事でもあるからだ。

update2007/02/28