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夜想#バンパイア

寺山修司の吸血鬼

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青ざめしわがくすり指青森の小学校の吸血鬼いずこ
包帯を巻かれて消えしわが指が恋し小学校の吸血鬼かな

寺山修司の未発表短歌集「月蝕書簡」には吸血鬼の言葉が入っている歌が2首ある。
寺山さんが生きていて、夜想の「ヴァンパイア」に歌を頼んだらこのような歌が紙面に載ったのだろうか。

吸血鬼と言えばばむしろ『月蝕書簡』からなら

満月に墓石はこぶ男来て肩の肉より消えてゆくなり

をとりたい気もする。

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京都、三月書房で、どうして買われずに残っていたのか、「寺山修司全歌集」風土社を、意気揚々とムッシューの前にさし出して、サインを強請ると、友達なんだからいつでもサインはできるんだからと…死んでしまうみたいだから…とまたにされたので、サインのあるべきページに寺山修司は不在だ。だからいつまでも継続しているのかもしれない。寺山さんは終わらせないためにサインをくれなかったのだ。他のものには、一杯、サインはしてもらったし、ニューズ・レターにもサインは入っていた。

さて「月蝕書簡」。寺山修司がどう作歌していたのかが、手に取るように分る、歌集で、覗き見するようでどきどきする。寺山修司は、こちらのプライベートを想像しながら覗いてくるのをこよなく好んでいたが、自分は決して「私」を見せなかった。今、ちらりと寺山修司の手が伺える。僕の肉体に寺山修司が甦ってくるようだ。

update2008/03/16

夜想#バンパイア

ヴァンパイア

ヴァンパイアの声をあちこちで聞く。
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宝塚バウホール開場30周年 『蒼いくちづけ』−ドラキュラ伯爵の恋−
作・演出/小池修一郎
小池さんはヴァンパイア・フリークの方。萩尾望都さんの『ポーの一族』にラブコールを送り続けているとか…。
もう一つが
松平健『DRACULA ドラキュラ伝説』
全国ツアーを敢行する。演出は、やはり宝塚歌劇団、藤井大介。

流行というより繋がりを感じる。何となく。
あ、そうそうダイワハウスの新作CMも吸血鬼だった。

update2008/03/10

夜想#バンパイア

小島文美 ヴァンパイア展

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深夜、小島文美展のセッティングが進んでいく。

悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲、Castlevania  白夜の協奏曲 暁の円舞曲 Heamatodipsia、
悪魔城ドラキュラ 闇の呪印、悪魔城ドラキュラXクロニクル
の原画が到着。ゲームの原画はゲーム会社に原画ごと所属しているので、公開も、そして一堂に並ぶのもはじめてのこと。作家の小島文美さんも見たことのない邂逅だ。

そして描きおろしの新作を含めて60点を越える大展覧会。
みっちりと小島ワールドが展開している。


update2008/03/07

夜想#バンパイア

カルチュラル・ポイント

もちろん時代は絵に描いたようにあるポイントを持って変化するものではない。
しかしそこに変化の胎動が集まってきて、ポンと変わることが結構ある。

ヴァンパイアでは、ブラム・ストーカー「ドラキュラ」、ハマーフィルムズ、そして「ポーの一族」だ。
ゴスでは意外にも楠本まきの「Kの葬列」じゃないかと思っている。
そんなポイントを僕は勝手にカルチュラル・ポイントと名づけて、楽しんでいる。

見つけてそれを使って解析しようというつもりはゼロだ。そこから見ると見えてくるものもあるから面白いのだ。

ハマーフィルムズのあたりからの空白期を茫然と眺めていたら、黒沢清さんの文章が教えてくれた。ポイントではなく見方を。bisの対談ではいくつは、本当に未知のものを見えるようにしてくれる言葉が、出てくることがある。話してくれる人に感謝したい。

update2008/02/19

夜想#バンパイア

山本タカト展 無事終了

盛況に山本タカト『ヴァンパイア』展が終了しようとしている。
時折、会場に来ていただく山本タカト夫妻とお話しをするのがとっても楽しみだった。

故郷の鎌倉に現在住まわれているということもあって、突然、ローカルな話にもなったりする。
神宮前にある『ビノエ・パスタ』というもう30年も通っているイタリアンのお店があるが、ある時から野菜が美味しくなったので、美味しいねと言ったら、鎌倉で野菜を作ってもらっている。鎌倉野菜というのは僕が地元の友達と作り出したんだよ。と。
もとは鎌倉駅の裏側だった、市場は、今は、市民座の跡地あたりに移っている。そこで買ってきてプレゼントしてもらった塩は、BISで大切に使っている。さらさらのパウダースノーのような塩。
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『アーツ&サイエンス』のブランドも教わった。
絵の話もしている。イラストの話も。イメージで思考する人と論理で思考する人の話や、チンパンジーの話も。どこかで絵を描くことにつながっているのが、山本タカト夫妻らしい。

update2008/02/18

夜想#バンパイア

黒沢清vs梅本洋一 

二十何年ぶりに会ったのに梅本洋一は、昔とまったく変わらない感じだった。皮膚に少々の脂肪をまとったかもしれないが、それは自分も同様のこと。夜想『アルトー』の号に書いてもらったり『亡命者のハリウッド』を編集してもらったり。同志は健在。同士と勝手に言うのも失礼かもしれないが。

黒沢清さんには夜想のヴァンパイア特集が追いつかなかった。でも良かったかもしれない。今日の話を、6ヶ月前に聞いたら、雑誌の構成を全部変えないといかなかったかも。
黒沢さんの最初の作品『白い肌に狂う牙』(1977)は、ほぼ吸血鬼もの。知らなかった!! もちろんマリオ・バーヴァの『白い肌に狂う鞭』からのもの。見たのは小学校4年生だって。ううん。とんでもないな。僕は、その頃、名画座で『バンビ』か東宝で『ゴジラ』を見てた。映画の場合、何を海馬に取り込むかというのはかなり重大な体験だ。最初に感動した映画から逃れられないのかもしれない。

ホラー映画と怪奇映画の差とか、現在日本の映画状況とか、そして黒沢さんの映画現場の不思議などいろいろ聞かせていただいた。ずっと懸案だったことに答えをいただいた。感謝。

update2008/02/17

夜想#バンパイア

野波浩 

野波さんの展覧会は、紀伊國屋画廊。
地下のカレー屋さんで久しぶりにカレー。もう30年前に、凝りに凝ったことがあって、厨房を覗いて同じものを作ろうと、必死になっていた時期があった。

当時は、大缶入りのマギー・ブイヨンが手に入らず苦労した。小さいのでも良かろうに、大きいのでないと同じ味がでないと思い込んでいた。しゃぶしゃぶのルーは、大好きな「デリー」のカレーの感じに良く似ている。ビーフよりもポークがなぜかピッタリくる味は、どうにか真似ることができたと記憶しているが、味はどうだったのか。自己満足だったかもしれない。
『デリー』のカレーは、当時、テイクアウトを良くお土産にしていた。マンディアルグを訳していただいた、早稲田大学仏文学の品田一良さんにお持ちしたら、えらく評価されて、ではと早稲田大学の教職員専門の食堂で、品田さんのお気に入りをご馳走していただいた記憶がある。
マンディアルグ夫人の、『ボナバンチュール』の訳をお願いして、ペヨトル工房解散で果たせなかったのが、とても心残りだ。昨年の2月に亡くなられて、またまた約束をかなえられないまま、向こうの世界での仕事を残してしまった。本名は品田三和一良=しなだ・みわいちら。おそらくクリスチャン・ネームの当て字だと思われる。
マンディアルグは『海の百合』が好きです。と、話して大いに気に入られた。夜想創刊の頃、ただただ懐かしい。スムーズな訳でとてもダンディで素敵な文学者だった。突堤へ延びる湾の姿が綺麗なんだよね、と、千葉の秘密の避暑地をマンディアルグに登場する風景に準えていらした。幻想も耽美も、少し色合いを変えている平成時だが、野波浩さんの写真を見ていると、いやいや平成もまだ棄てたものではないでしょうと、品田さんに報告してみたくなる。なんとおっしゃるか。

update2008/02/16