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黒沢清vs梅本洋一 

二十何年ぶりに会ったのに梅本洋一は、昔とまったく変わらない感じだった。皮膚に少々の脂肪をまとったかもしれないが、それは自分も同様のこと。夜想『アルトー』の号に書いてもらったり『亡命者のハリウッド』を編集してもらったり。同志は健在。同士と勝手に言うのも失礼かもしれないが。

黒沢清さんには夜想のヴァンパイア特集が追いつかなかった。でも良かったかもしれない。今日の話を、6ヶ月前に聞いたら、雑誌の構成を全部変えないといかなかったかも。
黒沢さんの最初の作品『白い肌に狂う牙』(1977)は、ほぼ吸血鬼もの。知らなかった!! もちろんマリオ・バーヴァの『白い肌に狂う鞭』からのもの。見たのは小学校4年生だって。ううん。とんでもないな。僕は、その頃、名画座で『バンビ』か東宝で『ゴジラ』を見てた。映画の場合、何を海馬に取り込むかというのはかなり重大な体験だ。最初に感動した映画から逃れられないのかもしれない。

ホラー映画と怪奇映画の差とか、現在日本の映画状況とか、そして黒沢さんの映画現場の不思議などいろいろ聞かせていただいた。ずっと懸案だったことに答えをいただいた。感謝。