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田中泯

たそがれ清兵衛が
刺客として屋敷に足を踏み入れた瞬間から
映画の様相は一変する
それは
大袈裟な言い方をすれば
田中泯のもっている前衛性が
起こした事件なのだと思う
踊り手の肉体が画面の雰囲気を変えている

娘の骨をぼりぼり食べながら
命のやり取りの話をする…
最期に死ぬときに
田中泯の手から
骨壺が落ちていくが
それはまさに舞踏としての仕草だ

この撮影をしている日
ボクは京大西部講堂で
田中泯を待っていた

もし撮影で余力が残っていたら
踊りにいく
そう田中泯は言ってくれた

しかし
田中泯は現れず
代わりに
たそがれ清兵衛
の映画に強烈な踊る田中泯が記録された