rss

    news

  • editor's talk

夜想#モンスター&フリークス

銭洗弁天

DSC09601.JPG

3日、夜9時、銭洗弁天。

メールが入っていた。
年の瀬に腰の痛みで立てないまま扇ヶ谷の奥に
蟄居しているのを
誰が知っていたのか。

そろそろと歩けるようにはなったので
時間に銭洗弁天居れるように
坂を登って
この坂はこんなに急だったけ。
まだ宵の口なのに闇は深い
仮粧坂(けはいざか)の位置を間違えて少し脇道に迷ってしまう

ふっと人の気配はするが
誰もいない。
トンネルを通って銭洗弁天に入る
誰も居ない。午後9時に誰も居ない。
DSC09590.JPG

洞窟の泉の前で
しばし待つ。白い蛇の神様。茶屋に小さな看板がある。
何年か前の正月、参拝者でごったがえする、この茶屋で
店の人に化身と拝まれたことがある。
美容院に行ったばかりのことで
プラチナブロンドの髪は蛇に見えたのかもしれない。

からからを鈴を鳴らす音がする
この夜に少女が参拝をしている
裏の坂を登って降りてお百度を踏んでいる。
声を掛けるのをはばかったが
すれ違いざまに小さく呟いた

あなたですか。

少女は答えず
裏山に消えた。
そして二度と現れなかった。
裏山の道は、鎌倉五山を抜けていく
尾根道。
子供の頃、毎日のように遊んでいた道。

意をけっして
後を追った。

道は記憶の中で
暗濁してようと方向が知れなくなった。
しばらく彷徨ったあげく
実家の瓜ヶ谷戸への道をみつけ
そのまま駅に行き

東京へ向った。
また日々がはじまる。


update2010/01/05