column
ディプティク 野波浩

野波浩さんが来訪して、トークショウとサイン会。トークショウはとても面白かった。
野波さんはストリート・フォトの感覚を基にして写真を撮っている。そんな意外な話が聞けた。
モデルも選ばない。それもとても分る気がする。向こうが選んだものには時代が入っている。
野波さんの初期写真集に『ディプティック』という二冊組みのものがある。ディプティクとは、二連祭壇画のことを言う。
双生の絵画。双生の人形。ここには双がたくさんあり、双がたくさん生まれる。二連ではないが、ファン・アイクの描いたゲントの祭壇画を思い出した。夜想の初期の頃、明けても暮れても混合技法のことを考えていた時期があって、ファン・アイクが大好きで、後に、ベルギーのゲントに見に行った。
黄金は色ではない。そんなことを一緒にセミナーをした川口起美雄に教わった。
野波浩はレイヤーを重ねて写真を作る。今でこそ、レイヤーだが、その原理は、ファン・アイクのころに作られた混合技法の透過層のシステムだ。いろいろなことが繋がって脳はナハトの闇で発光した。
見れば、恋月姫の『ミゼリコルディア』は、祭壇画そのものではないか。
update2008/05/05


