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井上弘久 朗読演劇/カフカ『変身』

5月6月と横浜公演決定!!

2017年5月19日[金]start 19:00
@神奈川県立青少年センター 多目的プラザ


小説の言葉をそのまま台詞にしたらどうなるか?会話の部分も地の文章も台詞として発してみると……不思議なことに、私は身体ごと小説の世界に入り込んでいました。芝居で舞台に立つのとはまるで異質な充実感。私は主人公の人生を丸ごと感じとっていたのです。……それから4年、小説を語り演じつづけております。

――ある朝…グレーゴル・ザムザは、自分がベッドのなかで馬鹿でかい虫に変わっているのに気がついた――とはじまるカフカの『変身』。この一見荒唐無稽な物語は、今、この私の身体を通過することで、私自身の物語ともなってきているのです。
(井上弘久)


井上弘久 朗読演劇/カフカ『変身』

2017年5月19日[金]start 19:00

出演■ 井上弘久
音楽■ 𠮷田水子
構成・演出■ 今野裕一

■料金:一般:2000円/高校生以下1000円(要学生証)

チケットのご予約はコチラ>>

□開演時間の30分前からご入場いただけます。
□イベントの日程・料金・内容は変更になる可能性もございます。
 詳細はHPにて随時更新いたします。
□お問い合わせはパラボリカ・ビス(03-5835-1180)まで。


■会場 神奈川県立青少年センター 多目的プラザ[マグカルフライデー参加]
〒220-0044 神奈川県横浜市西区紅葉ケ丘9-1
TEL: 045-263-4400
■最寄り駅
根岸線 桜木町 北改札西口 徒歩 8分
京浜急行本線 日ノ出町 徒歩 13分
みなとみらい線 みなとみらい 徒歩 20分

神奈川県立青少年センター>>

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★↓終了いたしました

2017年4月22日[土] start 15:00
2017年4月23日[日] start 15:00

出演■ 井上弘久
音楽■ 𠮷田水子
構成・演出■ 今野裕一

会場■ parabolica-bis[パラボリカ・ビス]
東京都台東区柳橋2-18-11 TEL: 03-5835-1180

料金:前売・予約 2500円/当日 3000円/学生2000円(要学生証)
□イベントの料金には展覧会入場料が含まれます。
□イベントの日程・料金・内容は変更になる可能性もございます。


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カフカに変身する人

 カフカの小説には、いろいろな形容詞がつきまとう。不条理哲学とか実存主義的とか。だから私も若い頃は、そのつもりになり深刻な顔つきでカフカの本に向かいあったものだ。そして、なるほどこれは聞きしに勝る「不条理」で「実存主義的」な文学だと感心し、この難解さにむしろ気持ちよく陶酔してみたりもしていた。
 ところが井上弘久さんの身体的な動作が絡みつつ朗読するという、誰もやらなかったカフカ作「変身」の朗読演劇に居合わせて、私は「ええっ、カフカってこういう世界だったのか」と驚かされた。
 井上さんの朗読演劇は、言うまでもなく緊張感のある張りつめた世界である。観客は、井上さんの発する言葉の端々を聴きのがすまいと息をつめている。ところがこの静まり返った会場の雰囲気とは真逆に、私の体内では奇妙な笑いの発作が何度も襲い、その笑いが外に漏れてしまわないようにと、私は必死にこらえなければならなかった。
 井上さんが「変身」を語り出したとたん、それは奇怪なコメディと化し、そのコメディに感染した私の体内では、笑いが痙攣するのを止められなくなるのである。
 ある落語家さんが解説するところによれば、笑いとは「緊張と緩和の法則」なのだそうだ。最初に「あれっ?」と緊張させておいて、そのあとで「なあんだ、そういうことだったのか」と緩和させることで「笑い」は生じるのだという。この説明には感心させられた。
 しかし井上さんの場合は、どうもそれとはまた違う別種の笑いが生み出されているように思われる。というのも、私は緩和されることなく緊張し続けているにもかかわらず、なぜか引きつった笑いにみまわれるからである。癒される笑いではなく、毒キノコにあたってしまったかのような、笑いの痙攣。これはかなり怖い笑いの体験である。
 カフカと井上弘久、両者は「笑い」という共通項によって結ばれている。両者の笑いには癒しなどといった弛んだ効能は皆無である。ひたすら怖い。井上さんは、グレーゴル・ザムザを手掛かりにして、フランツ・カフカ自身へと変身したのかもしれない。

森村泰昌(美術家)




プロフィール

井上弘久[ いのうえ・ひろひさ ]

朗読演劇家、俳優、演出家。1952年 東京生まれ。
1979ー88年 太田省吾主宰の転形劇場に所属。
「水の駅」「小町風伝」「→(やじるし)」など出演。1990ー11年 演劇集団Uフィールドを主宰。
「孤独な老婦人に気をつけて」(マティ・ヴィスニユック)、「女中たち」(ジャン・ジュネ)、「太田省吾の世界」など演出。
冒頭から最後の一行まで、地の文も会話もすべてセリフと化してしまう、朗読演劇という表現スタイルを確立し、
2014年 チャールズ・ブコウスキー没後20年連続企画 朗読演劇『町いちばんの美女』。 金子雄生、中原昌也、大谷能生、齋藤ネコらと共演。
2015年4月、今野裕一演出のもと、カフカ「変身」に挑戦し、約3万字を暗唱する驚異の一人劇を見事に演じきった。
2015年6月、ブコウスキー朗読演劇「町でいちばんの美女 2015」。2016年2月、江戸川乱歩朗読演劇「押絵と旅する男」。



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