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展示のコンセプト みつばち展

コンセプトのある展示

まったく余談だが、アートコンプレックスのエルンスト、シュヴァンクマイエル、上原木呂展。
上原さんが余りにシュヴァンクマイエル、大好きで作品がシュヴァンクマイエルに寄りすぎている。コピーか? と思えるほど。舞台風な展示は誰の作かちょっと分らない。
三人が何故、一緒に展示されているか、どうバランスをとって三人の作家展としてそれぞれを立てるか。
そしてこの展覧会のテーマは何か、ちょっと見えてこない。
ディレクター、プロデューサーの意図があって欲しい。

でも世の中の主流はどちらかというと、作品が見えれば良い…。そんなところに作家も、観客も落ち着いている気がする。

展覧会なんて無駄よ、ただ人形がよく見得るように並べればいいの。別に、展覧会場じゃなくても、自分のアトリエで見せて販売できればいいの…そういう人形作家もけっこういて、コンセプトのある展示はもちろん、展覧会自体もたいして意味がないという言い方をする作家も多い。 観客も、買いやすいように見せてくれたら良いのに、変に凝ったりすると、見にくいから…と言う人もこれまた多い。

ティム・バートンが[アリス]を公開したから、アリス展などとこじつけたような展示をしてもそれは充分企画であると、作家にも、観客にも思われているような現状では、コンセプトを打ち出すのは本当に無駄かもしれない。無駄かも知れないが、パラボリカ・bisでの展示は、展覧会の企画性を高め、それを具現化しようとする。企画やコンセプトは、作家自身が強く望むこともある。

みつばちさんの仕込みをしているが、みつばちさんも可愛くて綺麗な、ファッションドールに込めていた、いろいろなものを吐露するようにして会場を構成している。 創作人形で出きること、ファッションドールで出きること、それは何なのかを見極めようとする展示にもなっている。夜想としてはどうしてもコンセプトのきちんとある、そして企画性のある、そしてそれを分るように展示することを続けていきたいと思う。たとえ無駄だと言われても。


Dolly*Dolly Vol.26 手から生まれる布のお人形 (お人形Mook)