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金融恐慌

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ヴィクトリア女王が即位する少し前、イギリスは産業革命によって世界の派遣を握り、世界の工場と呼ばれるようになった。イギリスはその余勢をかって軍事を増強し植民地を次々と作り上げた。そしてポンドで世界を支配するにいたった。ポンドという金融的力が頂点にまで達したところで、輸出が停滞し、イギリスはそこから世界を金融的に支配する国に転換することになった。19世紀末から20世紀にかけては、イギリスは金融大国として世界に君臨した。もの作りから金融へ。第一次世界大戦後、金融の中心はイギリスからアメリカへ移り、イギリスは財政赤字に苦しむことになる。


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似てないか? もの作りから金融へシフトした国の運命と。アメリカは、今回のバブルで以前にもましてもの作りが後退させた。アメリカの自動車製造の衰退がそれを顕著に示している。今日のGMの株価は20%を超える下落をして1950年の株価になった。ビック・スリーという言い方はアメリカではもうしていない。問題だったのは、ローンを債券化するような証券の証券化のような金融的商品をたくさん作り出してしまったことだ。不動産バブルは、根底のところに不動産がある。動かないものがある。サブプライム問題は、低所得者層に無理やり不動産を売ったということもあるが、それだけだったら、不動産が残っているのでどうにか処理できるし、問題も見えている。ローンを商品にしたのがこんな世界の大迷惑に発展した原因だ。しかもその証券は構造的に破綻が見ていた。にも係わらず高い格付けがされていた。

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ヴィクトリア女王が即位したのは1837年。その後、すぐに飢餓の40年代に突入して、倫敦でも子供たちが飢餓に陥り、大人に成るまでにたくさんの子供たちが死んでいった。少女(実際には幼女)売春禁止の法律ができるほどで、子供たち、そして女の人には本当に生き難い時代であった。格差社会なので、もちろん華やかな生活をしていた女性もたくさんいて、それがヴィクトリアンのイメージを優雅なものにしている。格差の有様はどうも日本に似ていて、現在、破綻しつつあるアメリカの格差からは、ダークな下層社会とそれにともなう犯罪の発生が想像できない。ビクトリア朝の壊れ方は、現在のアメリカに似ているが、社会構造と暗部感覚は、むしろ日本に似ている感じがする。

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おそらくアメリカの金融破綻に端を発したこの金融恐慌は世紀に一度のクラッシュである。クラッシュの後に世界がどうなるのか? それはまったく未知である。経済評論家はヤバイ! といは言うけれど姿を想像することはできない。普通に考えられるのは、今、あるネガティブな要素がそのベクトルでいっそうネガティブになるということだ。犯罪はいっそう陰湿にそして理由をもたなくなるだろう。隙間をより姑息に抜けてる試みがなされるだろうが、隙間というのはしっかりしたものがあっての隙間である。隙間自体が見いだせなくなるという可能性もある。姑息が自棄になってもっと困った感じが蔓延するかもしれない。その中でどう生きていくのかというのは、ただならないことであると思う。『夜想』は生存できるのか?そんな身近なことで済まない事態がすぐ目の前まで迫っている感じがある。